- フィリピン留学で詐欺関連のトラブルがあるって聞きました
- 具体的な内容や回避方法を知っておきたい
フィリピン留学は、その費用の安さとマンツーマンレッスンの豊富さから、日本人に人気な留学先です。しかし、フィリピン留学は良い側面だけでなく、詐欺とも言えるトラブルが存在するのも事実です。
大切な時間とお金を無駄にしないためにも、どのようなリスクが存在するのかを正確に知り、対策を講じることが不可欠です。
この記事では、フィリピン留学に潜む典型的な詐欺の手口から、現地で遭遇しうる詐欺犯罪、そしてそれらを回避するための具体的なチェックポイントまで、徹底的に解説します。
著者プロフィール
| 執筆者 | 田平優貴 |
| 監修元 | セブ島留学バディー |
| 略歴 | ・2ヶ月のセブ島留学を経験後、セブ島の語学学校マネージャーとして勤務 ・業界歴7年目 ・セブ島現地に拠点を置くエージェントとして累計1,000名以上の留学相談に対応 |
フィリピン留学の詐欺に関して知るべき2つの実態
まず「フィリピン留学=詐欺があるかもしれない」というイメージが先行しがちですが、まずはその実態を冷静に把握することが重要です。
1.大半は「詐欺」ではなく、確認不足による「認識違い・トラブル」
「詐欺に遭った!」という体験談の多くをよく見てみると、実際には法的な「詐欺(相手を騙して金銭を奪う行為)」ではなく、「事前の確認不足」や「期待値とのギャップ」による認識違いであるケースが非常に多いです。
例えば、
- 「Webサイトの写真と実際の部屋が違った」
- 「講師の訛りが強くて聞き取りにくかった」
- 「Wi-Fiが思ったより遅かった」
これらはカウンセラーが説明した内容と大きな違いがあったのであれば問題ですが、フィリピンと日本との違いや、口コミを多角的にリサーチしていれば「そういうものだ」と事前に把握できた可能性もあります。
2.一方で、学費持ち逃げなど「悪質な詐欺業者」も存在する
しかし、認識違いのトラブルとは異なり、明らかな「詐欺」も存在します。
最も悪質なのは、留学エージェントや語学学校が、高額な学費やデポジットなどを受け取ったまま連絡が取れなくなったり、突然倒産してしまったりするケースです。
前者の「認識違い」を減らし、後者の「悪質な詐欺」を確実に見抜くための方法を詳しく解説していきます。
【手口別】フィリピン留学に潜む典型的な詐欺・トラブル7選
具体的にどのような手口が存在するのか、渡航前の契約時から現地生活に至るまで、7つの典型例を見ていきます。
1.学費などの持ち逃げ・返金トラブル
最も被害額が大きくなるのが金銭トラブルです。代表的なパターンは下記の2つです。
エージェントや語学学校の突然の倒産
留学費用を全額前払いした後、渡航直前になって倒産・閉鎖が発覚。支払った費用が一切戻ってこないケースです。
2020年に起こった新型コロナウイルスによるパンデミックなどでは、実際にこのようなことが発生したこともあったと言われています。
大きなオフィスを持ち、多くのカウンセラー / 多額の広告費を使って運営している業者の場合は有事の際に資金繰りが急激に悪化する可能性があります。
不当な理由での返金拒否・遅延
留学をキャンセルした際の返金や、卒業時に返還されるべきデポジット(保証金)が、不当な理由をつけられて返金されない、あるいは著しく遅延するトラブルもあります。
規約内容をしっかりと事前に確認しておく必要があります。
当社セブ島留学バディーでは、オフィス代を圧縮し、少数精鋭で運営しております。また巨大な広告費用もかけていないため、安全・健全な経営を心がけております。
またキャンセル / 返金規定についても、当社規約と学校独自が持つ規約を比較し、お客様にとって条件が良い内容を採用するようにしています。
2.授業内容・講師の質が「話と全く違う」
授業内容・講師の質が「話と全く違う」という点も詐欺的トラブルの典型パターンです。
例えば「1日8コマすべてマンツーマン」と聞いていたのに、現地に着いたら「講師不足で半分はグループレッスン」などに変更されるケース。
これはエージェント側の故意ではない確認・説明ミスの可能性と、学校側による悪質な対応の可能性があります。
また講師の質が高いと聞いていたのに、実際はただ英語が話せるだけのアルバイト学生が担当し、教えるスキルが著しく低い場合などもあり得ます。
学校がエージェントに正しい情報提供がされていない場合や、急な方針変更などによって生じるリスクがあります。夏などの繁忙期にスポット採用をする学校に起こりやすい傾向にあることを知っておきましょう。
3.宿泊施設が写真と大違いの「詐欺レベル」
生活の基盤となる宿泊施設・寮のトラブルも問題です。
Webサイトには清潔で近代的な部屋の写真が掲載されていたのに、実際は掃除が行き届いておらず、虫が出たり、カビ臭かったりする劣悪な環境だったケースです。
またWi-Fiがほぼ繋がらない、お湯のシャワーが週に数回しか出ない、頻繁に停電するなど、勉強や生活に必須のインフラが機能していないパターンです。
日本とは違う環境であることは顧客側が理解しないといけない部分ですが、エージェントからの説明と大きな乖離があったのであれば、詐欺も否定はできません。
4.現地で発覚!「追加費用」の請求
契約時に説明がなかった費用を、現地到着後に請求されるパターンです。
こちらについては、エージェントが漏れなく説明するのを怠っていたケースが最も多いように思います。
例えばフィリピン留学で必須のSSP(特別就学許可証)やビザ延長費用、光熱費などについて事前説明がなく請求された場合、数万円以上することも当たり前のため、騙されたと感じてしまいます。
留学費用を安く見せるためにエージェントが意図的に説明を省いている場合があります。
フィリピン政府や入国管理局による突然のビザ費用の値上げ、学校による管理費 / 光熱費の突然の値上げは起こり得るものと考えておくといいでしょう。
5.渡航後に音信不通?ずさんなサポート体制
「現地サポート万全」という言葉を信じて契約したのに、実際はサポートが機能していないケースです。
例えば、学校の空港ピックアップ担当が来なかったり、病気や盗難などの緊急時にエージェントの現地窓口に連絡しても繋がらない、メールの返信もないなど、放置されてしまう状態などがあります。
わざとということは考えにくいですが、サービス品質に落ち度があったのは事実であり、お客様からすれば詐欺と思われても仕方のないことです。
特にエージェントはお客様を学校へ送客しておしまいという感覚に陥りがちのため、サポート内容をしっかり確認するようにしてください。
6.「格安」を謳う、おとり広告・誇大広告
安さや学習効果を過剰にアピールし、実態が伴わない手口です。
実際にはオプションだらけで高額になるケースがあります。例えば「1ヶ月10万円」などの「おとり広告」で集客し、実際には入学金、教材費、寮費、SSP費用などを次々と上乗せされ、最終的に決して安くない金額となる場合です。
目先の値段に騙されず、「極端に安いのには理由がある」と考えるようにしましょう。
また学習効果は本人次第であるにもかかわらず、「3ヶ月で必ずペラペラに」といった根拠のない効果を保証する広告も誇大広告の可能性があるので注意しましょう。
当社セブ島留学バディーでは、見積もりの中に全ての費用を盛り込んで金額提示しています。また学校が定める料金から一切の上乗せはせず、最安値によるご提案をしております。
7.現地生活で巻き込まれる犯罪・詐欺トラブル
これまではエージェントや学校とのトラブルでしたが、現地生活で留学生が犯罪に巻き込まれるケースも「詐欺」の一環として警戒すべきです。
タクシーの「ぼったくり」
残念ながらフィリピンにはまだまだ多くのタクシードライバーによるぼったくりが発生しています。
昔よりも良くなっていますが、メーターを使わずに法外な料金を請求してきたり、わざと遠回りしたりする手口もあります。特に外国人がよく利用する空港や観光地あたりで起こりやすいです。
親しげに近づいてくる「トランプ詐欺(イカサマ賭博)」
日本語で親しげに話しかけてきて、「家に招待する」と連れていき、仲間内のイカサマ賭博に巻き込んで金銭を騙し取る昔からある詐欺です。
仲良くフレンドリーに話しかけて気分を良くさせて、相手に隙を与えて誘導することが多いため、急に近づいて親切にしてくる人には気をつけましょう。
美人局(つつもたせ)による詐欺
ナイトクラブなどで親しくなった女性に誘われ、店で法外な飲食代を請求されたり、ホテルで金品を盗まれたりする詐欺手口です。
また近年ではマッチングアプリで知り合った女性と外に出かけ、そのままホテルに行ったと思ったら、女性とグルになった警察官から金銭を要求されるという常套手段も横行しています。(相手が未成年ともなれば、さらに高額の費用を請求される可能性もありますので要注意です。)
スリ・盗難・置き引き
スリ・盗難・置き引きは詐欺ではありませんが、注意喚起としてお伝えします。
ジプニー(乗合バス)や混雑したモール、レストランでテーブルに置いたスマートフォンやカバンを狙うスリ・置き引きは日常茶飯事のため、「ここは日本ではない、常に注意が必要」と心がけるようにしましょう。
なぜフィリピン留学で詐欺・トラブルが起こりやすいのか?
他の留学先と比較して、なぜフィリピン留学ではこうしたトラブルが目立つのでしょうか。その背景には4つの理由があります。
参入障壁が低く、小規模業者が乱立している
フィリピン留学のビジネスは、比較的少ない資本でも「留学エージェント」や「語学学校」を立ち上げやすいという特徴があります。
今ではスマホひとつで多くのフォロワーを持つマイクロインフルエンサーなどが個人でエージェント業を片手間でやっていたりできる時代です。
その結果、経営基盤が脆弱な小規模業者や個人が乱立し、ずさんな運営や突然の倒産リスクを抱える業者が紛れ込みやすくなっています。
日本からの情報収集が難しく、不透明性が高い
フィリピンの学校は数が多く60校以上あり、情報開示が不十分な場合があります。また情報の更新や移り変わりが激しいのも実際のところです。
そのため日本からでは、Webサイトやパンフレットの情報が本当に正しいのか(特に講師の質や寮の設備)を客観的に判断するのが難しく、不透明性が高いことが一因です。
「安さ」を最優先する留学生の心理が影響
フィリピン留学を選ぶ最大の動機が「安さ」である場合、留学生自身がリスクを招いている側面もあります。
相場より極端に安いプランには、必ず「講師の質が低い」「サポートが乏しい」「設備が劣悪」といった理由があります。「安さ」だけを追求すると、悪質な業者の格好のターゲットになりかねません。
何故安いのか?をストレートに聞いてみるのもいいでしょう。
日本人をお金持ちと思っているフィリピン人が多い
フィリピンの現地物価から見ると、日本人は非常にお金持ちに見えます。多くのフィリピン人は親日的で親切ですが、一部には「日本人はお金を持っているから、少しぐらいぼったくっても構わない」と考える人がいるのも事実です。
この認識が、ぼったくりやスリ、詐欺のターゲットにされやすい背景となっています。
詐欺を回避!安全なエージェント・学校を選ぶ5つのポイント
では、これらの詐欺やトラブルを回避し、安全な留学を実現するためには、何をチェックすべきでしょうか?
契約前に必ず確認したい5つのポイントを紹介します。
1.運営実績と口コミ・評判を良く調べる
口コミが全てではありませんが、エージェントの信頼性を測る最も簡単なバロメーターの一つです。
エージェントの公式サイトにある「お客様の声」は良いことしか書かれていません。Google口コミやブログ内で紹介されている留学体験談などもチェックするといいでしょう。
エージェント名や学校名を検索して公式ホームページなどをしっかりと持っているのかも確認が必要です。
また悪い口コミを見つけたら、その内容が「食事が口に合わなかった」という主観的なものか、「返金対応が最悪だった」という客観的な問題かを見極めましょう。
良い口コミよりも悪い口コミが多いのか?その内容の良し悪しに目を向けるべきです。
2.法人なのかフリーランスなどの個人なのか確認する
運営母体の確認は必須と考えてください。
エージェントが「株式会社」や「合同会社」といった法人格を持っているか、あるいは「個人事業主(フリーランス)」なのかを確認してみましょう。まれに会社情報が曖昧な記述になっている小規模事業者も散見されます。
個人サポートが悪いわけではありませんが、法人格を持つ企業の方が、社会的な信用や倒産時の法的整理(補償)の面で、客観的な信頼性が高いと言えます。
3.複数のエージェントに相談をしてみる
複数社に相談したり相見積もりを取ることも詐欺リスクを回避する方法の一つです。
見積もりを取る際は、総額だけを見ず、「学費以外に何が含まれ、何が含まれないのか(SSP、ビザ代、光熱費、教材費など)」を一覧で明確にしてもらいましょう。
他社より極端に安い見積もりが出てきた場合、「なぜ安いのか」を遠慮なく質問してください。サポートが手薄だったり、後から追加費用が発生したりする可能性も考えられます。
4.契約書とキャンセルポリシーを隅々まで確認する
契約は「書面やWEBサイトの利用規約」に書かれている内容が全てです。
契約書の中でも、特に「キャンセルポリシー(解約時の返金条件)」は内容を100%理解することで後々のトラブル回避に繋がります。
「いつまでにキャンセルすれば何%返金されるのか」「学校やエージェントが倒産時の扱いはどうなるのか」は最重要項目です。
5.現地サポート体制と緊急連絡先を確認する
現地サポートは万が一の時のためのセーフティーネットです。
学校や現地オフィスに、日本語が通じるスタッフが「常駐」しているかを確認しましょう。「在籍」していても、実際は非常勤であるケースもあります。
フィリピン留学を扱うほとんどのエージェントは日本にオフィスがあり、日本に担当カウンセラーがいる形で運営していることも知っておきましょう。
その点も踏まえ業者選定をすることで、より安心感が得られます。
当社セブ島留学バディーでは、カウンセラーをフィリピン現地に配置することを基本としています。万が一の対応も迅速にさせて頂きやすいのが特徴です。
もしフィリピン留学で詐欺・トラブルに遭ってしまったら?
どれだけ注意していても、トラブルに巻き込まれる可能性はゼロではありません。万が一の際の対処法を知っておきましょう。
証拠(メール、契約書、写真)を保全する
トラブルが起きた時の話し合いで最も重要なのが「証拠」です。当初の話と違うと感じたら、すぐに以下のものを提示できるようにしておくと安心です。
- エージェントとのやり取り(メール、LINE)
- 契約書、申込書、振り込み履歴
- Webサイトのスクリーンショット
- 現地での学校の劣悪な環境がわかる写真や動画など
エージェントや学校の責任者と交渉する
もし「契約と全然違う!」という大きなトラブルになってしまったら、まずは当事者であるエージェントや学校と直接話し合いましょう。
感情的になって「どうなってるんだ!」と怒鳴るのは逆効果です。集めておいた証拠(メールや写真など)を冷静に示しながら、ハッキリと考えや要求を伝えていくのが好ましい方法です。
この時、現場のスタッフに伝えても「私では分かりません…」と流されてしまうこともあります。マネージャーなど、決定権を持つ「責任者」を呼んでもらい、直接交渉することが大切です。
消費生活センターや留学協会の相談窓口を利用する
当事者間で解決しない場合、第三者に相談することも必要になるかもしれません。
日本の「消費生活センター」や、「留学協会(JAOS)」などの業界団体は、こうしたトラブルの相談窓口を設けています。
補足:現地での犯罪・詐欺の場合
ぼったくり、トランプ詐欺、スリ、美人局などの犯罪被害に遭った場合は、まず学校のスタッフに相談してください。
学校は現地の事情に詳しいため、どう対処すべきかアドバイスをくれます。被害届を出す場合は、彼らのサポートを受けながら現地警察へ届け出ましょう(保険に加入している場合、保険金を請求する際に必要なステップとなる場合もあります)
また在フィリピン日本大使館 / 領事館に相談することも検討してください。
まとめ:フィリピン留学で詐欺リスクを減らすポイント
フィリピン留学は、正しく選べば欧米留学の半分以下の費用で、劇的に英語力を伸ばせる可能性を秘めた素晴らしい選択肢です。
「詐欺」という言葉に過度に怯える必要はありませんが、リスクが存在することも事実です。この記事で紹介した「詐欺の手口」と「業者・学校の見極め方」を参考に、安さだけに飛びつかず、情報収集とサポート内容・契約内容の確認をするようにしてみてください。
それが、フィリピン留学を成功させ、詐欺やトラブルのリスクを限りなくゼロに近づけるための、最も確実な方法です。
当社セブ島留学バディーでは、無料相談の場を無制限に設けております。ご提案させて頂く学校についてや、当社ご利用のメリット・デメリットをご納得頂いた上でご利用頂いております。
LINEでのチャット相談も頂けますので、フィリピン留学をご検討の方は、お気軽にご相談くださいませ。
この記事を書いた人
| 執筆者 | 田平優貴(セブ島留学バディー代表) |
| 略歴 | 2ヶ月のセブ島留学を経験後、セブ島の語学学校マネージャーとして勤務。業界歴7年目。 セブ島現地に拠点を置くエージェントとして累計1,000名以上の留学相談に対応中。 セブを中心にバギオ・クラークなどフィリピン留学の主要エリアの最新情報の提供に努め、学校選び・留学生活のノウハウを発信しています。 |
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