- フィリピン留学、お金の管理はどうすればいいの?
- お金はどうやって持っていけばいい?いくら必要?
- カードは使えるの?
記事を書いている私自身もフィリピン留学の前には皆さんと同じようにお金の管理についてたくさん悩みました。
フィリピンは日本とは少し違うお金の文化があり、知らずに行くと「カードが使えない!」「現金が足りない!」なんてトラブルに陥ることも。
そこで今回は、フィリピン留学を控えた皆さんの不安を解消するため、現地事情を知り尽くしたカウンセラーの視点から、一番安全で賢いお金の持って行き方を徹底解説します。
本記事の内容
- フィリピン留学でお金を持っていく際の重要ポイント
- フィリピン留学でお金の持っていく方法【7選】
- フィリピンにお金を持っていく際の3つの注意点
- フィリピン留学中のお金の管理方法
- フィリピン留学でのお得なお金の使い方
フィリピン留学でお金を持っていく際の重要ポイント
まずはじめに、フィリピン留学でお金の持って行き方を考える上で知っておきたい「3つの基本ポイント」をご紹介します。
1.留学期間に応じた「必要資金」を知っておく
フィリピン留学では、授業料や宿泊費は出発前に日本で支払いますが、現地でもさまざまな支払いが発生します。主に以下の2種類です。
- 学校に支払う現地費用:SSP(就学許可証)、ビザ延長費、教材費、寮保証金など
- 生活費:食費、交通費、娯楽/観光費用、日用品、お土産代、スマホネット代など
たとえば1ヶ月の滞在なら、現地精算費用は約4〜5万円、生活費は全て込み込みで5〜6万円ほどが目安。週末に観光やアクティビティを楽しむ場合はもう少し余裕を見ておくと安心です。

現地在住者
初めて留学された方から “意外と外食が高かった” と驚かれることもあります。学校内の食事がついている場合でも、カフェ代やタクシーなどでの移動費などは別途かかります。
2.現地で使えるお金の種類とレートを知っておく
フィリピンの通貨はフィリピン・ペソ(PHP)です。日常生活での支払いは、すべてこのペソで行われます。
一部の高級ホテルや観光客向けのレストランでは米ドル(USD)が使えることもありますが、基本的には使えないと考えておきましょう。
また1ペソ=何円くらいなのか?についての為替レートも把握しておきましょう。2025年時点では、1ペソ=約2.6円前後なので、1万円を両替したとしたら約3,800ペソ分の現地通貨になります。
3.2026年も現金社会が主流のフィリピン
日本ではキャッシュレス化が進んでいますが、フィリピンはまだまだ現金社会です。
大型ショッピングモールやファストフード店、少し高めのレストランではクレジットカードが使えます。
ただしローカルな食堂、個人商店、小さめのショップ、タクシー、そしてなんとセブンイレブンなどの大手コンビニでさえも、クレジットカードが使えないことがほとんどです。
「財布に現金がなくてもカードがあれば大丈夫」という日本の感覚でいると、何も買えない、どこにも行けない…なんてことになりかねません。
留学生活をスムーズに送るためには、ある程度の現金を常に持っておくことが必須です。
フィリピン留学でお金を持っていく方法【7選】
フィリピン留学でお金を持っていく方法やお金を使う方法は沢山あり、メリット・デメリットなど様々です。下記7つの中で最適な方法をご検討ください。
- 現金(日本円)で持参する
- クレジットカード・デビットカードを使う
- 海外送金サービス(Wise・Western Union)を使う
- 海外専用プリペイドカードを利用する
- トラベラーズチェック
- 銀行の海外送金サービスを利用する
- QRコード決済
一つずつ詳しく解説します。
1.現金(日本円)で持参する
日本円のお札を持って来て、フィリピンの両替所で現地通貨(ペソ)に変えるという最もスタンダードで昔からある方法です。
ショッピングモールや空港、街中など至るところに両替所があるため利用しやすいのも特徴です。
メリット | どこでも使える安心感、両替レートを比較してお得に換金できる |
デメリット | 盗難・紛失リスク、多額の持ち運びは不安 |
おすすめ度 | |

現地在住者
空港の両替所はレートが悪いので、学校スタッフおすすめのモール内の両替所を利用すると安心です。
2.クレジットカード・デビットカードを使う
クレジットカードやデビットカードを通じてお金を持参する方法です。
VISAとMastercardを1枚ずつ、合計2枚持っていくと安心です。JCBは使える場所が限られるので、メインカードとしてはおすすめできません。
メリット | キャッシュレス決済できる、海外旅行保険付帯の場面でも役立つ |
デメリット | コンビニやローカル店などでは使えない、手数料がかかる、キャッシングの引き出し限度額が低い(一度に10,000ペソなど) |
おすすめ度 | |

現地在住者
「キャッシング機能」付きのクレジットカードを持参すると現地のATMで簡単に現金を引き出すこともできて便利です。
3.海外送金サービス(Wise・Western Union)を使う
Wiseは国際送金サービスで、アカウントとキャッシングカードを事前に作っておくことで、まるでデビットカードのようなイメージでカードで買い物ができたり、現地ATMで現金を下ろすこともできる優れものです。
wise口座内の資金が不足しても、例えば三菱UFJなどのネットバンキングを使用できる状態になっていれば、それらの口座からwiseへデポジットし、すぐにフィリピンペソに変換されるため利用がスムーズです。
一方でWestern Unionは現地にも支店があり、現金受け取りが可能ですが、窓口での本人確認が必要にもなりATMで下ろせるWiseと比べるとやや不便になります。
メリット | まとまったお金を比較的安全に送れる |
デメリット | 事前の設定や手続きが面倒、受け取りに手間がかかることもある |
おすすめ度 | |

現地在住者
中長期以上の留学なら検討してみてもいい方法です。2ヶ月以下などの短期なら正直、現金持ち込みで十分かと思います。
4.海外専用プリペイドカードを利用する
事前に日本円をチャージしておき、現地でデビットカードのように使えるカードです。「キャッシュパスポート」などが有名です。
手数料は決して安くはなく、近年はやや廃れている印象です。
メリット | 審査なしで発行可能、紛失時の対応もある安心感 |
デメリット | チャージ手数料が高め、為替レートに注意が必要 |
おすすめ度 | |
5.トラベラーズチェック
海外旅行者向けの安全な旅行資金として発行されていた、小切手のようなものです。利用時には署名と引き換えに支払いや換金ができ、紛失・盗難時でも再発行が可能なため、一昔前は現金持ち歩きの代替手段として利用されていました。
ただし現在フィリピンの銀行や両替所では取り扱いがほぼありません。実質的には利用価値がない状態のため、選択肢から外して問題ありません。
6.銀行の海外送金サービス
日本の銀行からフィリピンの銀行へ送金する方法です。
特にセブン銀行を通じたフィリピンBDO銀行の受け取りサービスは、留学生にも人気があります。(セブン銀行×BDOの送金サービス)
メリット | 日本の銀行口座から手軽に送金できる・セブン銀行アプリで手続きが完結(来店不要)・受取側はBDO(大手銀行)の支店またはATMで簡単に現金受け取り可能・安全性が高く、トラブルが少ない |
デメリット | 他の送金サービス(Wiseなど)より手数料がやや高め・銀行営業時間外やシステムメンテナンス中は受け取りができない・初回登録に本人確認書類(マイナンバーなど)が必要 |
おすすめ度 | |

現地在住者
日本にいる家族がセブン銀行から送金し、フィリピン現地銀行(BDO)で現金を受け取れる仕組みです。
受取時は身分証明書と受取番号(Reference Number)を提示するだけなので、現金が不足してしまった緊急事態で使うのもおすすめ
7. QRコード決済
フィリピンではGcashが日本で言うPayPayのような存在として急速に普及しています。
しかし、フィリピンの電話番号と外国人登録証(ACR I-Card)が必要で、留学生が完全認証アカウントを作るのは難しいのが現状です。
実用性はまだ低めで、主要な方法としては考えなくてOKです。
フィリピンにお金を持っていく際の3つの注意点
ここまでフィリピン留学でお金を持っていく7つの方法についてお伝えしました。
続いてフィリピンにお金を持っていく際の3つの注意点について解説します。ポイントは3つあります。
- 現金を持参する場合には金額制限がある
- いくら現金が必要かシミュレーションする
- クレジットカードに頼りすぎない
1.現金を持参する場合には金額制限がある
現金をフィリピンへ持ち込む場合には金額制限があるため注意しましょう。
日本側では「100万円相当額を超える現金等(日本円・外国通貨・有価証券含む)」が申告対象であるという規定が、税関の公式資料で明示されています。
日本にいる状態でフィリピンペソを現金化して持参する場合は、またルールが異なり50,000ペソが上限とされています。もし日本で予めペソをご用意される方は注意が必要です。
参照:フィリピン中央銀行
2.いくら現金が必要かシミュレーションする
自分の留学期間に合わせて、最初の1ヶ月でどれくらいの現金が必要になるか計算してみましょう。
留学期間 | 現地精算費用(目安) | 生活費(目安) |
---|
1週間 | 約 10,000〜15,000円 | 約 10,000円 |
4週間 | 約 30,000〜50,000円 | 約 20,000〜30,000円 |
12週間 | 約 50,000〜80,000円 | 約 30,000〜40,000円 |
24週間 | 約 80,000〜120,000円 | 約 30,000〜40,000円 |
※観光や外食代にどのくらいお金を使うかにより大きく変動
現地精算費用は現金支払が原則ですので、この分は必ず日本円を持参しておき、現地の両替所で換金できるように想定しておきましょう。
あとはクレジットカード利用と現金の余剰金を準備しておくと安心です。
3.クレジットカードに頼りすぎない
「現金がなくなったらATMで下ろせばいいや」と安易に考えるのは危険です。フィリピンでは、
- ATM内の現金が空になっている
- 停電や電波障害でATMが動いていない
- カードが吸い込まれて出てこない
といった「フィリピンあるある」なトラブルが日常的に起こります。
私自身、ATMに15分並んだ挙句、自分の番が来る前に現金切れになった苦い経験があります…。クレジットカードはあくまで補助的な手段と考えておくといいでしょう。
フィリピン留学中のお金の管理方法
フィリピン留学中のお金の管理方法をお伝えしていきます。ポイントは下記3点です。
- 現金は分散して保管する
- 外出時は必要最低限だけ持参する
- カード紛失・盗難時の対応フローを理解しておく
一つずつ補足解説していきます。
現金は分散して保管する
持っている現金をすべて財布に入れて持ち歩くのはやめましょう。
- 普段使いの財布
- スーツケースの中
- 学校のセーフティボックスや鍵付きの棚
このように2〜3ヶ所に分散して保管することで、盗難や紛失のリスクを大幅に減らすことができます。クレジットカードやパスポートも同様に、現金とは別の場所に保管するのが鉄則です。
外出時は必要最低限だけ持参する
その日の予定に合わせて、2,000〜3,000ペソ(約2,500円〜8,000円)程度の現金とクレジットカード1枚だけを持って出かけるなど、必要最低限を心がけましょう。
特に夜間の外出や、人が多い場所へ行く際は注意が必要です。
出かけるときに現金が少な過ぎるのはいざというとき困りますが、必要以上の金額は持ち歩かないのが理想です。
カード紛失・盗難時の対応フローを理解しておく
万が一、クレジットカードやデビットカードを紛失・盗難された場合に備え、カード会社の緊急連絡先をスマホのメモや手帳に控えておきましょう。
すぐにカードを停止できるよう準備しておくことが被害を最小限に抑える鍵です。クレカによっては即日再発行サポートや不正利用補償があります。
フィリピン留学でのお得なお金の使い方
どうせなら少しでもお得にお金を使いたいですよね。現地で役立つ節約術をご紹介します。
クレジットカードを使える店は積極的に使う
大型ショッピングモールやレストラン・ファストフード店など、安全にクレジットカードが使える場所では積極的にカードを使いましょう。
ポイントが貯まりますし、両替所で日本円をペソにして支払うよりも手数料の面からもお得です。稀に本人確認のためのID(パスポートなど)の提示を求められるケースがあります。
日本や空港では両替はしない
日本やフィリピンの空港や銀行での両替は、非常にレートが悪いため避けたほうがお得です。最もレートが良いのは、フィリピン現地の商業施設内にある両替所です。
ご到着初日にフィリピンのお金(ペソ)を使うことは基本的にないため、入学後に実施されるオリエンテーションでおすすめの両替所の説明を学校スタッフから受けてから両替をするのが理想です。
レートが安い両替所を見つける
同じフィリピン国内でも、空港より市内のショッピングモールに入っている両替所の方がレートが良い傾向にあります。
また同じショッピングセンター内の中でもレートや手数料は異なり、実際に見比べてみないと分からないこともあります。
下記ではセブ島の大きいモール内にある両替所を紹介しています。レート / 手数料の違いを理解頂けますので参考ください。
クレジットカードのキャッシングも活用する
実は、レートの良い両替所で現金(日本円)を両替するよりも、クレジットカードのキャッシング機能を使ってATMでペソを引き出す方が、手数料を考えてもお得になるケースが多いです。
翌月一括返済にすれば現金両替よりもお得になることがほとんどです。
リボ払いなどになっていると損をしてしまうため、返済内容は事前にクレジットカード会社に確認をするようにしてください。
よくある質問(Q&A)
フィリピン留学の現金持ち込みに関する、よくある質問について回答していきます。
- いくらまでフィリピンに現金を持ち込める?申告は必要?
- 現金は100万円相当額まで持ち込むことができ、それ以上を超える場合は事前に税関への申告が必要です。予め日本国内でフィリピンペソを現金で持ち込む場合は、50,000ペソまでとなります。
- 1ヵ月のフィリピン留学ならどのくらいの現金を持って行けばいい?
-
学校に支払う現地費用(約5万円)と、1ヶ月分の生活費(約4〜5万円)を合わせて、合計9〜10万円程度を日本円の現金で持っていくと安心です。
- 現金が足らなくなってしまったらどうしたらいいですか?
-
慌てずに、クレジットカードのキャッシング機能を使ってATMでフィリピン・ペソを引き出せるか検討しましょう。それが最も手軽で早い方法です。もしくは、日本の家族に頼んで海外送金サービスを利用してもらう方法もあります。
- 日本円からフィリピンペソへの両替はどこでできますか?
-
空港や銀行、ショッピングモールの中にある両替所(Money Changer)で両替できます。日本と違い、フィリピンには街中にも沢山の小さな両替所がありますが、最も安心感が高いのはショッピングモールの両替所です。
- フィリピンでクレジットはどこでも使えますか?
-
いいえ、どこでも使えるわけではありません。大型ショッピングモール内の店舗や、中級以上のホテル・レストランでは利用できますが、コンビニ、ローカル食堂、タクシー、個人商店などでは使えないことがほとんどです。
まとめ
今回は、フィリピン留学のお金の持って行き方について解説しました。最後に最もおすすめでベストな組み合わせをお伝えします。
それは…「現金(日本円)+ クレジットカード2枚」この組み合わせです!
現地精算が必要な費用+留学期間に合わせた想定される生活費を現金(日本円)で持参し、現地のレートの良い両替所でペソに両替する。大きな買い物や万が一の出費に備えて、国際ブランド(VISA/Mastercard)のクレジットカードを2枚持っていく。
もし現金が足りなくなったら、クレジットカードのキャッシング機能を使ってATMからペソを引き出す。
この方法が、安全性・利便性・手数料の安さのバランスが最も取れています。
お金の準備は、留学準備の中でも特に大切な内容です。この記事を参考に、自分に合った方法を組み合わせてリスクを上手に分散させ、万全の体制でフィリピン留学に出発してください。